SES・客先常駐

SES・客先常駐・派遣・業務委託の違いとは?現役エンジニアが実体験で解説

 

どうも、大山です。

「SESと客先常駐って何が違うの?」

「派遣とSESは同じじゃないの?」

「業務委託やフリーランスとの違いもよく分からない」

IT業界の働き方を調べていると、このあたりで混乱する人は多いと思います。

実際、ネット上でも、

  • SES=客先常駐
  • SESと派遣はほぼ同じ
  • 業務委託とフリーランスは同じ

のように説明されていることがあります。

ただ、実際に働いてみると、これらはかなり違います。

私はこれまで15年以上、ネットワークエンジニアとして働いてきました。

その中で、

  • 正社員
  • 登録型派遣
  • 客先常駐
  • 業務委託
  • フリーランス
  • ITコンサルタント

といった働き方を経験しています。

特に、派遣エンジニアとしてKDDIで働いた経験や、フリーランスとしてCisco関連案件に参画した経験は、今のキャリアに大きく影響しています。

この記事では、実体験をもとに、

  • SESとは何か
  • 客先常駐とは何か
  • SESと派遣の違い
  • 業務委託との違い
  • フリーランスとの違い
  • どの働き方を選ぶべきか

を分かりやすく解説します。

この記事の結論

  • 客先常駐は「働く場所」の話
  • SESは「契約・サービス提供」の形に近い
  • 派遣は「指揮命令」が派遣先にある
  • 業務委託は「成果物や業務範囲」に基づく契約
  • フリーランスは「個人で契約する働き方」
  • 大事なのは名称よりも、どんな経験が積めるか

まず結論:SES・客先常駐・派遣・業務委託は同じではない

最初に結論です。

SES、客先常駐、派遣、業務委託、フリーランスは、似ているようで意味が違います。

特に混同されやすいのが、

  • SES
  • 客先常駐
  • 派遣

です。

ざっくり整理すると、次のようになります。

働き方 意味 ポイント
SES エンジニアの技術力や作業時間を提供する契約形態 準委任契約が多い
客先常駐 顧客先のオフィスや現場で働く勤務スタイル 働く場所の話
派遣 派遣会社に雇用され、派遣先で働く雇用形態 指揮命令は派遣先
業務委託 業務内容や成果に基づいて仕事を請ける契約形態 契約内容が重要
フリーランス 会社に雇用されず、個人で案件を受ける働き方 自己責任の範囲が広い

つまり、客先常駐は「どこで働くか」の話です。

一方で、SES、派遣、業務委託、フリーランスは「どんな契約・立場で働くか」の話です。

ここを分けて考えると、かなり理解しやすくなります。

 

客先常駐とは?

客先常駐とは、自社ではなく顧客先のオフィスや現場で働く勤務スタイルのことです。

例えば、所属している会社はA社でも、実際に毎日通う場所はB社のオフィスというケースです。

IT業界ではよくある働き方で、

  • SES
  • 派遣
  • 業務委託
  • フリーランス

いずれの形でも客先常駐になることがあります。

つまり、客先常駐は雇用形態ではありません。

働く場所の話です。

ポイント

客先常駐とは「契約形態」ではなく、「顧客先で働く勤務スタイル」です。

私自身も、派遣エンジニアとしてKDDIに就業していた時期があります。

このときは、派遣会社に登録し、KDDIの現場で働く形でした。

毎日顔を合わせるのは派遣会社の人ではなく、KDDIの社員の方や協力会社の方々です。

そのため、実際に働き始めると、

「自分は派遣会社の人間だ」

という意識よりも、

「この現場の一員として仕事をしている」

という感覚の方が強くなりました。

 

SESとは?

SESとは、System Engineering Serviceの略です。

一般的には、エンジニアの技術力や作業時間を提供するサービス形態を指します。

SES契約では、成果物そのものではなく、エンジニアが一定期間業務を支援する形になることが多いです。

よくある例としては、

  • ネットワーク運用支援
  • インフラ構築支援
  • システム開発支援
  • プロジェクト支援
  • PMO支援

などがあります。

SESは客先常駐とセットで語られることが多いです。

実際、SES案件では顧客先に常駐するケースが多いと思います。

ただし、SES=客先常駐ではありません。

SESは契約やサービス提供の考え方であり、客先常駐は働く場所の話です。

項目 SES 客先常駐
意味 サービス提供・契約形態 勤務場所
何を指すか エンジニアの技術支援 顧客先で働くこと
契約の話か 契約に関係する 契約ではなく場所の話
同じ意味か 違う 違う

SESと派遣の違い

SESと派遣は混同されやすいですが、違います。

大きな違いは、指揮命令の関係です。

派遣の場合、派遣先企業が派遣社員に対して業務指示を出します。

一方で、SESの場合は本来、顧客が直接エンジニアに細かい指揮命令をする形ではありません。

ここが大きな違いです。

項目 SES 派遣
雇用主 SES企業 派遣会社
勤務場所 客先が多い 派遣先
指揮命令 所属会社側 派遣先企業
契約 準委任契約が多い 労働者派遣契約
実態 客先常駐になりやすい 客先常駐になる

ただし、現場ではこの違いが分かりにくいこともあります。

特にIT業界では、SESなのに派遣のように扱われているケースもあります。

そのため、働く側としては、

  • 自分の契約形態は何か
  • 誰から指示を受けるのか
  • どこまで対応すべきなのか
  • 困ったときに誰へ相談するのか

を把握しておくことが大切です。

大山の本音

私自身、派遣としてKDDIで働いていたときは、雇用上は派遣会社経由でした。

ただ、日々の仕事ではKDDIの現場メンバーの一員として働いている感覚が強かったです。

契約上の立場と、現場での実感は必ずしも一致しないことがあります。

派遣エンジニアには「正社員型」と「登録型」の2種類がある

派遣エンジニアと聞くと、一つの働き方しかないと思われがちですが、実は大きく2種類あります。

種類 特徴
正社員型派遣 派遣会社の正社員として雇用され、各現場へ派遣される
登録型派遣 派遣会社へ登録し、案件ごとに派遣される

私がKDDIで働いていた時は、登録型派遣でした。

そのため、派遣会社へ行ったのは登録時くらいです。

その後は営業担当とメールや電話で連絡を取る程度で、コーディネーターの方ともほとんど会うことはありませんでした。

毎日顔を合わせるのは、KDDIの社員の方々や協力会社の方々です。

だから働き始めると、

「派遣会社に所属している」という感覚よりも、「KDDIのチームの一員として働いている」という感覚の方が圧倒的に強くなりました。

大山の本音

登録型派遣の場合、「派遣会社に所属している」という意識はそこまで強くありませんでした。

毎日関わるのは現場の人たちです。

だからこそ、現場で信頼されることの方が何倍も重要だったと感じています。


現場ではスキル以上に「人間性」が見られていた

これから派遣やSESで客先常駐を考えている人へ、一つ伝えたいことがあります。

現場に入った瞬間から、すべての技術を知っている必要はありません。

実際、私がKDDIへ入った当時、

  • プリセールス経験はゼロ
  • 提案書を書いた経験もゼロ
  • 設計経験もほとんどありませんでした

ネットワークの知識も、基本的な内容が理解できる程度でした。

それでも仕事を任せてもらえた理由があります。

それは、以前の現場で経験してきた、

  • お客様対応
  • 障害対応
  • データセンター移設
  • 拠点の増設・移転・廃止作業

こうした経験のおかげで、人とコミュニケーションを取ることには抵抗がありませんでした。

技術が分からないことは素直に聞く。

教えてもらったことはメモを取る。

期限は必ず守る。

困ったら一人で抱え込まず相談する。

こうした当たり前のことを積み重ねることで、少しずつ仕事を任せてもらえるようになりました。

ポイント

現場では、

「知識がある人」よりも「一緒に仕事がしやすい人」

が信頼される場面は意外と多いです。


KDDIで教えていただいたことは今でも財産

正直に言うと、最初は戦力になれていたとは思っていません。

分からないことばかりでした。

それでも、KDDIの社員の方々や協力会社の皆さんは、本当に丁寧に教えてくださいました。

失敗してもフォローしていただき、

分からないことは一緒に考えていただきました。

そのおかげで、

  • プリセールス
  • 提案書作成
  • プロジェクト推進
  • 顧客との打ち合わせ

といった、それまで経験したことがない仕事にも挑戦できました。

今振り返っても、

「会社」に育ててもらったというより、「現場の人たち」に育ててもらった

という気持ちの方が強いです。

そして何より嬉しかったのは、派遣社員という立場ではありましたが、一人のメンバーとして接していただけたことでした。

今でも当時の仲間とは交流があります。

客先常駐は、人間関係が希薄な働き方だと思われがちですが、私にとっては逆でした。

今のキャリアにつながる、多くの出会いがありました。


業務委託で客先常駐した経験もある

KDDIで働いていた頃、一時的に顧客先へ常駐する案件も担当しました。

派遣という立場でありながら、さらに別の顧客先へ業務委託のような形で常駐する、少し特殊な案件です。

契約上の整理は非常に難しい案件だったと思います。

今振り返ると、かなり特殊なケースだったと言えます。

ただ、その経験から学んだことがあります。

その案件では、お客様側の意思決定が進まず、最終的にはプロジェクト自体が終了してしまいました。

案件として見れば成功とは言えません。

しかし、そこで終わりではありませんでした。

顧客先へ常駐していたことで、多くの方に顔を覚えていただきました。

そして後日、

「別案件でもお願いできませんか?」

というお話をいただき、新たな案件につながったのです。

大山の本音

客先常駐は、技術を提供するだけではありません。

「この人とまた一緒に仕事がしたい」

と思っていただけることが、次の仕事につながることもあります。


フリーランスの客先常駐は本当に孤独なのか?

「フリーランスになると、一人で何でもやらなければいけない。」

そんなイメージを持っている方も多いと思います。

私自身も独立する前は、同じように考えていました。

しかし、実際にフリーランスとしてCisco関連の案件へ参画してみると、その印象は大きく変わりました。

私の場合は、一社商流に入った形で案件へ参画していました。

そのため、完全に一人で現場へ入ったわけではありません。

商流に入っていた会社の方々が、現場との調整や相談にも乗ってくださり、派遣時代と同じようにサポートを受けながら仕事を進めることができました。

もちろん、フリーランスは会社員よりも自己責任の範囲が広くなります。

契約更新や単価交渉、キャリアを考えるのも自分自身です。

それでも、「常に一人で戦わなければいけない」というわけではありません。

良いエージェントや商流に恵まれれば、安心して仕事に集中できる環境を作ることは十分可能です。

大山の本音

派遣、業務委託、フリーランスと経験してきましたが、結局どの働き方でも支えてくれる人はいました。

働き方が違っても、一緒に仕事をする仲間の存在は本当に大きいと感じています。


結局どの働き方がおすすめなのか

ここまで読んで、「結局どれを選べばいいの?」と思った方もいるかもしれません。

私なら、経験に応じて次のように考えます。

経験 おすすめの働き方 理由
未経験〜経験2年程度 派遣・SES さまざまな現場を経験しやすい
経験3〜5年 設計・構築案件 市場価値を高めやすい
経験5年以上 フリーランス・PM・プリセールス 年収アップが狙いやすい

もちろん、人によって目指すキャリアは違います。

ただ、一つ言えるのは、

「同じ現場で何年働いたか」よりも、「その現場で何を経験したか」の方が重要

ということです。

私自身も、働き方を変えるたびに新しい経験を積み、その経験が次のキャリアにつながりました。


よくある質問

SESと客先常駐は同じですか?

違います。

SESは契約・サービス提供の形を表し、客先常駐は働く場所を表します。

SESでも自社勤務の案件がありますし、派遣や業務委託でも客先常駐になることがあります。

 

派遣エンジニアは現場で孤立しませんか?

現場によりますが、私自身はそのような経験はありませんでした。

KDDIでは派遣社員という立場でしたが、チームの一員として接していただき、多くのことを学ばせていただきました。

 

フリーランスは一人で仕事をするのでしょうか?

必ずしもそうではありません。

私の場合は商流に入っていた会社のサポートがあり、安心して仕事に取り組むことができました。

 

未経験なら派遣とSESのどちらがおすすめですか?

どちらにもメリットがありますが、私は「成長できる現場」に行けるかどうかを重視します。

会社名よりも、どんな案件を経験できるかの方が、その後のキャリアに大きく影響します。

 


まとめ

SES、客先常駐、派遣、業務委託、フリーランス。

名前は違いますが、一番大切なのは契約形態ではありません。

その環境でどんな経験を積み、どんな人と出会い、自分の市場価値を高められるか。

私は派遣エンジニアとしてKDDIで働き、多くの方々に育てていただきました。

顧客先への常駐では、人とのつながりが次の仕事につながることを学びました。

そしてフリーランスでは、商流に入ってくださった会社のサポートを受けながら、新しい挑戦を続けることができました。

こうして振り返ると、私のキャリアは「働き方」が変えたのではありません。

その環境で出会った人たちと、挑戦を続けた経験が、今のキャリアを作ってくれたのだと思います。

最後に伝えたいこと

これからSESや派遣、客先常駐という働き方を選ぶ方は、不安もあると思います。

しかし、働き方そのものを恐れる必要はありません。

どんな環境でも、自分から学び、人との信頼関係を築く姿勢があれば、その経験は必ず次のキャリアにつながります。

私自身、その積み重ねが現在のITコンサルタントという仕事につながっています。


次に読むおすすめ記事

1

  「ネットワークエンジニアで年収を上げたい」 そう思っている方は多いと思います。 私自身、新卒から正社員として働いていた頃は年収450万円程度でした。 安定はしていましたが、 「このままで ...

2

  「ネットワークエンジニアで年収1000万円は目指せるの?」 ネットワークエンジニアとして働いている人や、これからインフラ業界に進みたい人なら、一度は気になると思います。 結論から言うと、 ...

3

  「プリセールスって年収高いの?」 「ネットワークエンジニアからプリセールスになれる?」 「営業っぽい仕事なのにエンジニアより給料が良いって本当?」 ネットワークエンジニアとして働いている ...

4

  私は普段、フリーランスエンジニアとしてネットワーク業界に身を置いています。 今回は、ネットワークエンジニアとプログラミングの関係について書いていきます。 「ネットワークエンジニアにプログ ...

5

  「フリーランスのネットワークエンジニアって実際どうなの?」 「一人で全部やらないといけないの?」 「正社員よりきついの?」 ネットワークエンジニアとして働いている人なら、一度はフリーラン ...

-SES・客先常駐